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しまねを楽しみ、ミライへ繋ぐコラム

とうふ屋角久 角さん

「1粒の大豆から」美味しいサスティナブルなものづくり(2)

-循環型のものづくりなんですね。でも、国産の大豆って高価なのでは?

そうですね…。まだ国産大豆は生産量が少なく輸入に頼っています。

自給率は7〜8%程度。主な輸入元であるアメリカ・カナダは広大な農地で大量の大豆を作っていますが、日本に入ってくるのはほんの一部です。

-日本以外の国もたくさん輸入しているんですね。健康志向や環境対策で、肉を食べずに大豆を食べようというムーブメントが起こっています。これから世界で大豆の取り合いが起こったりしないか心配…。

世界のさまざまな情勢を考えると、大豆を国内で育てて安定的な供給を目指すことはリスク回避につながります。

角久では少しずつ安来産大豆の割合を増やしていて、今は4割を地元でまかなえています。将来的にはもっと増やしていきたい!

地元の大豆だけで商品を作っていくのはまだまだ難しい。

輸入大豆も品質が悪いわけではなく、私たちも誇りを持っておいしい豆腐を作っています。

一般的な食品の代表格として手に取りやすい価格を維持しつつ、価値を上げる努力を絶やさないように歩んでいきたいです。

素材と製法にこだわった高価な豆腐ばかりだと、それを買える経済状況の人だけが良いものを手にすることになってしまう…。

僕は食卓に並んでこそ豆腐だと思っています。色んな豆腐があって良い。

価格が幅広く選択肢があることは大切なことです。

-なるほど!「誰一人取り残さない」SDGsに通じますね

そうですね。

「サステナブル(持続可能)」という言葉を最近よく耳にします。

これって結局は「バランスを取る」ということだと思うんですよ。

-「バランスを取る」…キーワードになりそうな言葉!どのようにお考えですか?

品質、安全性、環境保全、地域活動、経済面、どれか一部を良くしようとすると別のどこかに負担がかかります。

さまざまなポジションの人が力を合わせてバランスの良い循環を作るべきだと思います。

安来の農家さんが大豆を作り、それを買って角久が豆腐を作り、豆腐が地元のスーパーなどに並び、消費者の方においしく食べていただく。

その結果として利益が循環し、みんなが幸せになりながら一緒にレベルアップしていくのが理想です。

-地元の大豆を豆腐作りに使うのはその大きな一歩ですね。他にも地元のために取り組んでいることはありますか?


地域の企業や学校と一緒に、新しい価値の創造に取り組もうとしています。

安来の情報科学高校の生徒さんから「地元の食材でスイーツを作りたい」と相談があり、角久の豆腐を使ってもらいました。

洋菓子店の「モントローネ」さんの協力でヘルシーなレアチーズケーキが完成。

商品化したわけではありませんが、若者が地域の産業やものづくりに興味を持つきっかけになればと思います。

今年も学生さんとものづくりをするプロジェクトを計画しています。

こうして、大人が地元の子供達の経験の一助になれることは嬉しいことです。

失敗したって良い。失敗は成功の基。色んな経験が大切です。

-面白そう!高校生よりも小さいお子さんが角久さんのものづくりに触れる機会はありますか?

角久の豆腐や油揚げは、学校、保育園・幼稚園、福祉施設などの給食に使われています。

最近は特に産地や製法にこだわる保護者・家族の方のニーズが高いみたいですね。

「安来産の大豆を使った豆腐で」と言ってもらえることも。

地元の食の魅力を感じるきっかけになればと思います。

近くの小学校の社会見学を受け入れたり、子どもたちが学校で育てた大豆で豆腐を作ることも。

最近は手作り体験の対応ができていないので、これから受け入れ体制を整えて行きたいです。

-子どもたちがワクワクする取り組み、期待しています!これからやっていきたいことはありますか?

島根の農業は、有機栽培や減農薬といったエコな方向に進み始めています。

そこから取り残されないよう、農家さんや企業と連携して時代にフィットしたものづくりをやっていきたいです。

また、一世帯の人数が減り、高齢化も進む中で、少量のパックや小分けの商品など、フードロスが出ない商品展開も必要。

販売エリアを山陰から広げるつもりはありません。

地域の声を聞きながら、価値が届く範囲でものづくりをし、数あるメーカーの中から「選んでもらえる豆腐屋」になるのが目標です。

角久のモットーは「1粒の大豆から」。

大量生産・大量消費ではなく、材料から思いを込め、お客様においしさと喜びを届けたいです。

-高齢化も人口減少も加速していますからね。そんな中で、安来の、島根の未来のためにどんなことがしたいですか?

食べ物をフックに、地域の活気を生み出して貢献したいです。

魅力が増えれば地元に留まる人も、移住する人も増えるでしょう。

一企業では実現できないので、地元の農家さん、企業、団体、学校などいろいろな人たちと手を携え、知恵を出し合いたいです。

地域の特性や環境に合ったやり方や、人口が少ないからこそできることもあるはず。

地元に根差し、時間をかけて一歩ずつ進んでいきたいです。

■角さんイチ推し!今日からできる楽しいプチエコ■

豆腐や油揚げは消費期限が近くても品質が落ちることはありません。おいしく食べられるので、「今日で期限切れだから使えない」と思わずにぜひ手に取ってください。半分は汁物、半分は副菜にすると良質な大豆タンパクがたくさん摂れますよ。インスタグラムでアレンジレシピを公開しているので参考にしてみてください。
残ったら冷凍保存を。豆腐はハンバーグのつなぎなどに加工して凍らせればストックおかずに、油揚げは凍ったままで炒め物や汁物に入れられて便利です。ネットでアレンジレシピを検索してみると楽しいですよ!

*角さんとお話しした感想*

優しくやわらかい物腰の角さんですが、豆腐づくりとふるさとへの思いを語る言葉が熱い!想いを聞いているうちに、取材陣一同、すっかり「とうふ屋角久」さんのファンになりました。食、人、農、地域、全てに誠実に向き合おうとする姿勢が素敵です!スーパーで角久さんのお豆腐を見るのが楽しみ。これからの幅広い活動にも注目していきたいです。

(*写真撮影のため、特別にマスクを外していただいています*)

   

美味しいアレンジレシピは必見!
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