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しまねを楽しみ、ミライへ繋ぐコラム

ナマケモノ珈琲 中村さん

人にも、環境にも優しい珈琲はいかが?香り豊かな豆を焙煎する(2)

―お店はどういった経緯で始められたのでしょうか。

私は浜田で育ったんですが、大学で東京へ出て、就職でまた浜田に帰ってきてから運動療法を指導するトレーナーの仕事をしていました。

「人の体にいいことは何かな」と考えていくうちに、アロマ等の芳香療法を本格的に学び、アロマセラピーインストラクターの資格もとりました。

そんな時に友人に誘われて行ったコーヒー店で、豆を焙煎する香りに魅せられてしまったんですね。

「こんな香りと共に働けたらそれが一番の幸せじゃないか」と思うようになり、ほとんど手探りで2007年にお店をオープンしました。

―浜田では現在唯一の焙煎店とお聞きしました。お店を続ける秘訣はありますか

間伐材をつかったペレットストーブを導入したのですが、これだけだと寒いのでエアコンもつけています。

コンセプト通りにストイックに続けるのは難しいですね。

やはりどこかで折り合いをつけながら、無理をせず自然な形だったからここまで続けてこれたのかなと思います。



ナマケモノではないですが、自分にできるところから無理せずやっていくのがいいかなと。

地道に続けていくことで、地元や通販でリピーターのお客さんがついてくれました。ふるさと納税の返礼品にも出しています。

中にはフェアトレードや環境に優しい豆を仕入れていることに共感して購入してくれるお客さんもいて励まされていますよ。

―自然な雰囲気は中村さんを見ているとわかります。商品が並んでいる棚も店内も木材が多いようですが、手作りですか?

お店もなるべく工務店を入れず自分たちでDIYをするようにしています。

自分たちで作れば、環境に優しい材料や塗料などを選ぶことができるんです。

例えば廃材を利用してテーブルや床材にしたり、塗料も竹炭由来のものを使ったりしていますね。

島根県立大学のサークル環境倶楽部「しまえっこ」の学生たちが、壁塗りを手伝ってくれたこともありますよ。

―こだわりのお店ですが、今後どうなっていったらいいなと思いますか?

多店舗展開したいですね。

ただし、私はこのお店で精一杯なので、想いに共感してもらえる仲間が増えていくといいなと思っています。

他の地域への出店も考えたこともあるのですが、私は今の規模がちょうどいいんです。

もし会社にするなら、他の人が社長で私は一従業員で構いません(笑)。

環境への配慮や、豆へのこだわりなどに共感してくれる仲間があちこちにできていくといいなと考えています。

あとは、先ほども言いましたが、そろそろ歳なので、ちゃんとなまけたいです(笑)

―昔と比べて地域の変化を感じることはありますか?

島根の、特に西部は高齢化と人口減少が進んでいて心配です。

せめて緩やかに、そこそこ人がいる状態が維持できればいいのですが…。

都会に出て働いている同級生もなかなか島根に戻るという話は聞かないですね。

やはり、仕事面で不安があるようです。

地域に雇用を作っていかないと人口は減るばかりですが、補助金等で支援してもなかなか長く続いていくのは難しいですよね。

―そんな厳しい状況ですが、例えば2030年の島根はどうあってほしいでしょうか。

人口減少が進む西部だからこそ、大型量販店ばかりで買い物をせず小さなお店も大事にしてほしいなと思います。

大量生産品は効率を重視するあまり、どうしても人や環境に負荷をかけて作られているものがあります。

自分たちが日ごろ口に入れる食べ物のことについて、ちょっとだけでも考えてくれる人が増えたらいいですね。

私たちは今、どんな人たちが、どんな環境でつくったものを食べているのか。

農家さんや漁師さんといった一次産業で働く方が身近に感じられる島根・浜田だからこそ、地産地消やフェアトレードといった小さな生産者さんに思いをはせる買い物をすることが、意外と環境へ負荷をかけない、小さな生産者たちを守る持続可能な社会へ繋がっているのだと思います。

コーヒーも簡単に飲むことはいくらでもできますが、焙煎したての豆を専門店で買ってきて、飲む前に挽(ひ)いて、自分で淹(い)れるからこそ出会える香りや味があります。

そういった日々の暮らしの手間隙(てまひま)を楽しむライフスタイルが島根にはあっているのではないでしょうか。

■中村さんイチ押し!今日からできる楽しいプチエコ■

当店では袋や缶を持参すれば豆が割引になります。エコバッグやマイボトルといった取り組みのように、容器持参で買い物ができるお店を探して買うのも楽しいですよ。食器洗いをする前にお皿を拭くというのもやっています。油や汚れなどが川等に流れて行かないようコーヒー豆の容器などを乾拭きしたキッチンペーパーをとっておき、食べ終わったお皿や鍋などを一度拭いてから皿洗いをしています。ちょっとしたことですが、自分たちが使う物がどこからきてどこへいくのか考えるきっかけにもなりますよ。

✿中村さんとお話した感想✿

えも言われぬ豊潤な焙煎の香りと出逢ってしまった中村さんの「コーヒーで幸せを届けたい」というシンプルな願いがとっても素敵です。そして、その想いを実現するためには、意外なほど複雑な社会の仕組みと向き合うことが必要になるのですが、しなやかに自分にできることを考え続ける中村さんの真摯な姿勢に、心打たれっぱなしでした!また取材中も常連さんが次々に来店し、慣れた感じで豆を注文されていました。「いつもありがとうございます」と優しく微笑みお客さんと会釈を交わす中村さんは、ゆったりとした自然体でふるさと浜田に根を張っています。

    

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