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しまねを楽しみ、ミライへ繋ぐコラム

陽氣な狩人 今田さん

あんたが人生の主人公!全力で遊び、学び、自然の中で命と向き合う(2)

―先ほどから気になっていたんですが、このアクセサリーはなんですか?

これはね、猪の骨で作ったキーホルダー。

こんなものを使ってスマホのアクセサリーを作っても面白いよね。



この骨見てよ。このキレイな穴。

人工に開けたもんじゃないよ。腱が通るための自然の形なんよ。

こういう自然のことってほんと宇宙じゃないけど人間の力ではない何か大きな力が働いとるように感じるよね。

人はね、この世に生まれて来ていま生きてることがもう奇跡なんだと思うんよ。

この何十億人もおる地球上で誰かと巡り合って、如何に人と関わって人生楽しむかが大切だと思っとるんよ。

だから儂はね、無駄なものっていうものはないと思う。

これまで見向きもされなかったものでも、何にでも光る要素はあって、人もそうだけど全てのものに「あんたはとても役に立っとるじゃない」って言いたいのよ。

今の時代ね、情報が多すぎる。

それで色んなことを知ったつもりになって、そこから悩みが生まれて苦しんどる人がおるけど、そういう人たちはね、自然の中に入りゃあいいんよ。

自然の中にいると人はね、人間的、動物的な感覚が研ぎ澄まされて来るし、命への感謝、生きてることの尊さを感じるけぇ。

悩んどる人は、ここに来いって言いたいね。

彼女ね(稲澤さん)、絵を描くのが好きでデザインも出来るけぇお茶とか飴のパッケージを作ってもらったり彼女のポストカードを店に置いとるけど、色々な縁があって兵庫からここに来とるんよ。

みんながね、繋がって自分のできることでそれぞれ役割を全うすればいろんな広がりが生まれるんだぁ思うよ。

みんな、生まれた瞬間から世界にただ一人の個性的な人間なんだけぇ。

できることも考え方も違ってええ。

―今田さんは「命の授業」という取り組みをされてると聞きました

いまはね、年間に3万人もの自殺者がおるような社会でしょ。

それで、子どもの頃からもう少し自然や命というもんに触れたり考える機会があった方がいいんじゃないかと思ったのがきっかけ。

それで、弥栄の学校や色んなところへ出かけて行ってそういう話をするようになったんよ。

儂は、朝晩猟犬の散歩に行くけぇね、その時に生き物や生態系の繋がりが見える瞬間があると写真を撮って、それを子どもたちに「これが何かわかるか〜?」って見せながら、「ヤマナメクジの交尾だぞ」とか、「これが、はちみつを食べに来たタヌキだぞ」とかね。

大きさの違いを見せながら「ゲンジボタルは水辺におるけど、ヒメボタルは山におって同じホタルでも生態が違うんだぞ」とかね、そういう話をするんよ。

あと、「自然の中でストレスがなく育ったイノシシの内臓はこんなに色がキレイなんだぞ」とかね、テレビを見たりゲームをするだけでは気付くことのない自然をそのまま見せるんよ。

それでね、授業の最後にいつも伝える言葉があるんよ。

ええかぁ、人生でこの3つのことに気をつけろってね。

それは、「怒らないこと」、「怖がらないこと」、「悲しまないこと」。

平常心でいることを心がけて、物も時間も無駄にせんと全てに感謝して生きていくんよって。

それとね、命の授業を受けたいって中学の子たちがここに来てやった時があったんだけど、いつものようにイノシシの内臓を見せとったらある女の子が途中で気持ち悪くなってその後の話が頭に入って来んようになったみたいなんよ。

その子は「自分が命に向き合えんかったんだ」って悔しい思いをしたみたいでね、その時の自分と向き合って、それを地元の弁論大会で発表して最優秀賞を受賞したって儂んとこにトロフィーを見せに来てくれたんよ。

あれは嬉しかったねぇ。

―命と向き合うってことは自分とも向き合うってことに繋がるんですね。すでに色々なことやっておられますが、これからやりたいこととかありますか?

儂はねぇ、思い付いたことはすぐやるし、70になっても(取材時は69歳)もっと知りたいことがたくさんあるし、もっと多くの人に会いたいね。

知ることや勉強して分かるってことは大切なことよ。

知るといろんなことに感謝出来るようになるし、仕事も遊びも本気でやって自分の人生の主人公にならんといけんよね。

一人で考えることの大切さを伝えたいね。

そのためには、自分の時間が必要だから1日10分でもテレビやスマホから離れて自分と向き合って考える時間を作ってもらいたいね。

情報を遮断して自分を空っぽにして自分と向き合うと逆にいろんなことが自分に入ってくると思うよ。

何か悩みがある人は、弥栄に来て散歩するといい。ウチに話をしに来て欲しいよね。

自然にも人にも無駄なものはひとつもないことに気づけると思うよ。

■今田さんイチ推し!今日からできる楽しいプチエコ■

これがエコなことかどうかは分からんけど、この辺りじゃまだ山菜だぁ、野菜だぁって採れたものを近所にお裾分けする文化があるけぇ、おかげで余計な買い物をせんで済んどるよね。それは、ただ物が交換されとるってことじゃなくて、初めに自分から贈り物をして、それをみんながするから止まることなくぐるぐる回り続けとるってことなんよ。買い物は、商品とお金の等価交換で売り手と買い手の関係は一瞬で清算されるけど、自分から贈り物をするってことは貴方と関係したいっていうメッセージだから。そういう関係を自分から増やすってことも人生を豊かにするコツになると思うよ。

✿今田さんとお話して✿

圧倒的なご経験で求道者のごとく自然の一部としての人の生き方を追求されているように感じましたが、それをサービス精神と独特のユーモアで包み、全力で遊んでいる(生きている)姿を伝えている「語り部」のように思いました。今田さんのような方に出会えるのもこの島根の豊かさの一つ!猟犬を愛し、大切な姫のお話をされる姿も印象的でした。
原稿確認のためにお伺いした際に、読みながらこれまでのことやお世話になった方のことを思い出されたようで、歳とったら涙脆そうなってなぁ、と照れ笑いされていた様子を拝見し、益々魅力的な方だと思いました。

(※取材は2020年12月。写真撮影のため、マスクを外していただきました。)

    

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