株式会社永幸丸 永見さん
未来へ続く新たな海の事業を展開 とれた魚は全て活かす!(2)
―島根町に古民家を活用した拠点を構えた理由を教えてください
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当初、島根町での産業体験は4カ月の約束でした。
でも、期限が来たとき、僕は「そのままやります」と伝えました。
もともと農業や林業の産業体験もと考えていましたが、定置網もカキの養殖も、高齢化や後継者問題が迫るなかで、野井地区の産業を終わらせたくないと思うようになっていましたから。
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それに、漁師ってかっこいいんですよ。先輩の後ろ姿を見てるとね、ほんと「かっこいいなぁ」って。
みんなに「永ちゃん、来てくれてよかったよ」って言ってもらえたのも嬉しかったですね。

当時は、住んでいた出雲市から通っていたんですけど、早朝の漁が終わったら8時半まで1時間半の休憩、昼も11時半から1時間半の休憩、帰路につくのは16時過ぎでした。
休憩の間、車の中で体を休める僕を見兼ねた先輩が古民家を探してくれて、使っていいって言ってくれたんです。
それから、このまま活用していいっていうので家族で引っ越して住むことにしました。
岩ガキの販売はもちろん、そこから見える日本海の景色や岩ガキを養殖している施設を眺めながら生ガキを食べたり、バーベキューで新鮮な魚介類を味わってもらえるような設備にしています。
これが評判を呼んで、これまで島根町に来たことのなかった人がどんどん来られるようになって、今では穴場として喜んでもらっています。
―海底でお酒を熟成させる取り組みにも協力しているそうですね
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日本海は、水質もいいし海の底は穏やかなので、お酒の熟成が可能です。
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2027年には加賀の潜戸(くけど)が天然記念物になって100周年を迎えるというので、そのお祝いに合わせて観光協会が海底熟成の酒を振舞う計画があり、協力しています。
これはまだ予定ですが、それを島根町の子どもたちが成人式を迎えたときに飲ませてあげたくて、ふるまいのお酒にすることを目指しています。
―それは楽しみですね!いろいろな仲間もできつつあるとか

近くに畑を借りてイチジクを植えたり、イノシシに食べられちゃうこともありますが、野菜を植えたりして、できるだけ自給自足の生活を実践しています。
物々交換仲間もいっぱいできました。
たとえば自然農をしている方の農産物と僕の海産物を交換しています。
その方の息子さんが釣り好きなので一緒に釣ったり、チェンソ―の使い方や木の倒し方を教えてもらったりして、自分たちが持つ技術をシェアしてwin-winの関係でやっています。

自分には「関わる人を幸せにする天命がある」という信念があるので、その人に思いがあるのであれば、どうしても叶えたい気になっちゃうんです(笑)。
だから野井地区の役員を引き受けると、「〇〇やってくれんか」と言われることが多くなって。
みなさんに喜んでもらえることを計画して実現していきたいと考えています。
―未来の漁業に繋げるために必要なことはどんなことだと思いますか?
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担い手がないから漁業が衰退傾向にあるので、海の産業を繋げていくためには、未来の担い手、つまり子どもたちに向けた楽しみを提供することが必須だと思っています。

アクティビティのようなことをしたり、一般に出回らない魚を展示したりして興味を持ってもらい、そこから一緒に体験して、「楽しい!やりたい!」に繋げていくことが大切だと考えています。
そのためにいろいろな事業を展開していて、参加した子どもたちが「自分もやってみたい!」と言ってくれるのが最高にうれしいです。
―永見さんを動かしているものは何ですか?
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これまで、自分がやってきた仕事は、誰がやっても替えがきく仕事だったと思います。
でも、島根町の漁業に関しては、自分がしなければ変わらないし続かないという、強い使命感を持っています。
特に魚の命を無駄にしないということに関しては、天命ですよ。
「これこそを何とかしなければ」、という思いでやっています。

島根の海には、無限の可能性があります。
一次産業を活性化して自給率を上げたり、漁業の担い手不足を解決したりなど目の前の課題はたくさんありますが、僕は周りの人たちみんなが笑顔でご飯が食べられるようにしたい。
そういう思いで、とにかく先を見据えてどんどん動く。そして、その結果が1つの課題だけじゃなくて全てに連動して繋がっているんじゃないでしょうか。
■永見さんイチ推し!今日からできる楽しいプチサステナブル■
島根の海は最高ですよ!みなさん美味しい魚も、マリンスポーツもいっぱい楽しんでください。僕ら漁師はよくビーチクリーンをします。興味があったらぜひ地域のビーチクリーンにも参加してくださいね。海や自然に触れると疲れた気分も晴れると思うんですよね。
✿インタビュアー感想✿
「島根の海には無限の可能性がありますよ!」と、キラキラとした瞳で語る永見さん。自然豊かな島根に移り住み、使命感を胸に楽しみながら海の仕事に向き合う姿に心が動きました。特に未利用魚の活用はフードロスを削減すると共に、私たちの暮らしに新しい魚やレシピとの出会いをもたらしてくれます。笑顔で軽快におしゃべりを続ける永見さんの頭の中には、未来へつながるチャレンジが次々と浮かんでいるよう!これからのご活躍に目が離せません。
(2023年7月取材)
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現在は「海の駅 永幸丸」もオープン!
株式会社 永幸丸さんの
