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しまねを楽しみ、ミライへ繋ぐコラム

合同会社弐百円 森脇さん

山の恵「一頭でも埋めない」資源が巡る命をicasプロジェクト!(2)

―食用に加工するお肉は、イノシシの解体から自分たちで手がけていると聞きました

地域の方たちが立ち上げた「八雲猪肉生産組合」の組合員になり、施設を利用させてもらっています。

やはり、野生動物は個体によりバラツキがありますし、イノシシは処理を上手にしないと品質が劣化してしまうんですね。

資源として活かすのであれば、自分たちで肉の状態を確認し、品質が保証できるものかどうかを判断する責任を果たしたいと考えています。

―森脇さんがイノシシ肉や、地域の猟師さんと出会ったきっかけを教えてください

協力隊として夏祭りに出店することになった時、八雲猪肉生産組合からイノシシのウデやスネのお肉を買わせてもらって、フランクフルトを作って焼いていたんです。

これが好評で、すごく売れ行きが良かったんですよ。

その後も何度か同じようにフランクフルトを販売していたんですが、あるとき疑問に思ったんです。「これ、本当に地域貢献になっているんだろうか?私たちは、ただ買ったお肉をフランクにしてもらい。それに、棒を刺しているだけじゃないか!?」って。

それで、「もっとイノシシ肉を知らないといけない」と思い組合に話を聞きに行き、有害鳥獣や農作物の被害のこと、猟師さんの高齢化や担い手が不足していることなどの地域課題があることを教えてもらったんです。

フランクフルトにしても、お肉が売れて猟師さんには喜んでいただいているものとばかり思っていたんですが、ウデやスネの肉は一頭から取れる量が少なく、集めるのが大変で負担をかけていたことも知りました。

―この経験から、いまの活動に繋がるんですね

それから組合にお願いして、野生動物による農作物の被害のことやイノシシの解体についてなどの勉強を始めました。

私たちも組合を理解し、また組合から認めていただくためには、自分たちで動かなくては…と考え、まずは同じ土俵に立つため、わな猟の免許や鳥獣被害対策コーディネーターの資格を取得しました。

―すごいです!きっと、生き物を相手にすることは簡単なことではないですよね

罠にかかったイノシシを完全に捕獲するためには、心臓や頸動脈を刺し、イノシシの命を絶つ「止め刺し」をしなければなりません。当たり前ですがイノシシも必死に抵抗します。

足をワイヤーでくくる「罠猟(わなりょう)」の場合、かかったイノシシはワイヤーの長さいっぱいに動きます。私たちが近づいたタイミングで、ワイヤーが跨いでいた木が外れ、狭かったイノシシの行動範囲がぐっと広がり、こっちに突進して来る時は命の危険も感じます。

また、止め刺しが上手くいっても何か感じるものが常にあります。

―猟に関わるようになってから、森脇さんの中で何か変化はありましたか?


普段の生活では、つい「食と命のつながり」を忘れてしまいがちですけど、誰かが私たちのために、「食べられる状態」にしてくれていると思うと、畜産業界の方や生産者さんに対して畏敬の念を持つようになりました。

以前、管理栄養士として健康相談やカウンセリング業務に携わっていた時は、栄養素を効果的に摂取することや、適切な食事の仕方の伝え方などを考えていました。

 
野生動物による農作物被害と戦いながら野菜を作る農家さんや、猟師さんなど、食の生産現場を知ってからは、食の可能性や意味を改めて考えさせられ、食に関する価値観が変わったと思います。

私は2人の子どもがいますが、家で一緒にご飯を食べる時には「この野菜は○○さんが、こんな風に作ったんだよ」など、生産者さんのことを伝えるようにしています。

―いつもの食卓がより楽しくなりますね!弐百円さんの今後の構想や、やりたいこと、考えている展開案があれば教えてください

私たちの夢は、この仕事が必要無くなることですかね。(笑)

いつかイノシシが地域の大切な資源になって、冬も夏も関係なく1頭も埋められることがなくなれば、私たちはお役御免です。

その他には、私のことではないんですが、佐藤さんが梅林の管理をしているNPO団体からの依頼を受け、理事長に就任しました。

移住者の私たちに、梅林を託そうと決断してくれた方々の気持ちに応えたいという思いからだそうです。

私たちが見つけたことじゃなくても、私たちのモットー「松江に今まで無かった。を、おもしろく!」に沿って、これおもしろい!と思えることに取り組む。
それが、地域にも良い影響があったり、新しい価値をつくることに繋がっていればいいなと思っています。

■森脇さんイチ推し!今日からできる楽しいプチエコ■
暮らしの近くで作られた食材を選んだり、食べるときに生産者さんの想いや、地域の風土について話せると、話題が増えて食卓が楽しくなると思います。食べものに興味を持つことで、よりおいしく食べる方法を考えたり、無駄にせずに使い切りたいという思いが芽生えますよね。

✿森脇さんとお話しして✿
「松江に今まで無かった。を、おもしろく!」や「一頭でも埋めない」といった想いが言語化されていることにとても興味が湧き立てられました。今回では書き切れなかった背景や、森脇さんと佐藤さんのお人柄に触れると、弐百円が課題を抱える地域から求められている理由がわかった気がします。後日、イノシシのそぼろ丼をいただきましたが、美味しいうえにイノシシの活躍に貢献できた気がして満足度満点!この先の事業の展開も楽しみです。2023年5月には、安分亭が1周年記念を迎えるそうですよ!何か楽しいことを考えておられるのではないかと思うとワクワクします。

(取材時期は、20232月)

    

野菜とジビエ、たまにお蕎麦
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